2021年春土用は4月17日から/五行説/戌の日

4月も後半に入り、もうすっかり春。
というより、初夏を感じることも多くなってきました。

5月に入ればまもなく立夏を迎えますから、じっさいに夏が近づいているわけですが、今年は明日が「春の土用の入り」です。
春土用?そうなんです「土用」は夏だけのものではなくて、春夏秋冬それぞれにあるんです。
2021年の春の土用は4月17日から5月4日まで

そもそも土用とは「五行説」という考えがもとになっています。
ものすごく大雑把な説明ですが、五行説とは、あらゆる物は
「木・火・土・金・水(もっかどごんすい)の5種類の元素からできている」
というものです。
そして、その5種類の元素がお互いに影響を与えあいながら、万物が変化し、循環していく。
これが、五行説の考えです。

森羅万象すべてがそうなのだ、というわけですから、季節も「木・火・土・金・水」のどれかに当てはまる、ということになりますよね。
それで、たとえば、春は樹木が成長する季節だから「木」、夏は暑い灼熱の季節だから「火」、というふうにそれぞれの性質を当てはめていきます。
そうすると、当然ですがひとつ余ります。それが「土」だったんです。

で、ここからが、偶然なのか最初から考えられていたのかはわかりませんが、面白いところです。
土は植物の種を芽吹かせる存在であり、かつ、生きとし生けるものはみないずれ土に還りますよね。
ということから、ある季節が終わって次の季節が生まれる、つまり「移り変わりの時期」として、それぞれの季節の間に「土」を挿入したんです。
これが土用です。

さて、夏の土用といえば「丑の日」ですよね。
丑は十二支のひとつです。
十二支は日付や時刻、方角などにも適用されていて、12日に1度「丑の日」がやって来ます。
12あるうち、なぜ丑が大事なのか、まちがいなくこれだ!という説明はなかなか見つからないんですが、どうやら、五行の組み合わせをあれやこれや展開していくと、夏の土用については「丑」が重要な意味をもつ、ということになるらしいんです。

で、その考えを春の土用に当てはめると「戌」(いぬ)が相当します。
今年の春土用で「戌の日」になるのは4月20日と5月2日。
今年は2回あるんです。

夏土用の丑の日には「う」から始まるもの、または「黒いもの」を食べるといい、といわれています。
うなぎが代表選手ですね。
ではこれを春土用の戌の日に当てはめるとどうなるかというと…
「い」から始まるもの、または「白いもの」です。

「い」から始まる食べ物といえば、どうでしょう、いちご、いんげん、いか、いわし…。
白いものといえば大根でしょうか。
あ、しらすも白いから、しらすおろしなんていいかもですね。

さて、土用の意味に立ち返ってみます。
五行説にしたがうならば、今日からは「春」が終わって「夏」が始まる、その移り変わりの季節である、ということになります。
もちろん実感としては今は「春真っ盛り」です。でも
「ある季節のまっただ中に次の季節を予感してみる」
これもまた、趣のある季節の感じかたかも知れませんよ。
いかがですか?

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