いるか座の探し方と神話〜古代ギリシャの音楽家アリオンを救ったイルカの神話

今日は、天の川のほとりではねる1頭のイルカ、いるか座のお話です。

いるか座は、とっても小さなかわいらしい星座です。
ただ、残念なことにあまり明るい星がないので、条件のいい星空でないと、なかなかそのかわいらしい姿をみわけることはできません、残念なことですが…。

でも、夜空がじゅうぶん暗い場所でさえあれば、小さいながらも形がまとまっていて、見つけやすい星座です。
そして、いちど見つけて覚えてしまうと、次も必ず探さずにはいられない、とっても印象に残る星座なんですよ。

目印はいつものように夏の大三角です。
9月も後半になりましたけど、まだまだ夏の大三角、見えています
たとえばいま、夜8時ごろでしたら、ほぼ頭上、ま上よりもちょっとだけ西のあたりに傾きつつある感じに見えています。

おさらいしますね。
まず南をむきます、そして真上を見上げます。すぐに大きな三角形がみつかります。
こういう状態でみた場合、むかって右の角に光っているのがこと座のベガ=織り姫。
左上の角にいるのが白鳥座デネブ。
そして左下の角がわし座アルタイル=彦星でしたね。

いるか座はこのアルタイルから探していきます。

アルタイルの左ななめ上のあたりに、トランプのダイヤのようなかたち=小さなひし形にならんでいる星の集まりがあるんです。
そのひし形から下にむかって、もう1つの星をつなげます。
これが、いるか座です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、小さなひし形に尾が1本くっついたような形、おたまじゃくしみたいなかたちとも言えます。
ホントにとってもかわいらしい形なんですよ。

Sagitta-01
←いるか座の探し方
(gifアニメーション)クリックで拡大します。

さきほど「あまり明るい星がない」と言いました。そのとおりなんですが、そのかわり、このあたりはこの星座のほかはもっと暗い星ばかりなんです。
ですから、条件のいい空であればよく目立つ星座です。

そんなせいもあって、古代から知られていました。
紀元前1200年ごろにはすでにあったと言われる、とても歴史の古い星座なんです。

ギリシャが面した地中海には、もともとイルカが多くすんでいて、昔から神聖な動物として大切にされてきたそうです。
(当時は哺乳類とは知られてなくて、魚だと思われていたらしいんですが)

いるかは、海の神ポセイドンの使いであると信じられていました。
ただ、古い星座絵などを見ると、このイルカ、尾をくるりと巻いていて、しかもギザギザのひれがついていて、表情もちょっとどう猛な感じのする、怪物じみた生き物として描かれているんです。

このギザギザのひれ、さかなのひれみたいなんですね。
これも、当時は魚だと思われていたから、なのかも知れません。

しかも、この怪物じみた姿は、さきほどご説明した、小さなひし形に尻尾がくっついたような形、あの形にぜんぜんマッチしてないんです。
(ひょっとすると、もっと暗い星たちを繋げるとそう見えるのかも知れないんですけども)

なのでぼくは勝手に、水面から勢いよく飛び出して、宙にはねたイルカのすがた(よくそんな映像、見ませんか)そんなふうにイメージしているんです。
ただしこれはあくまでぼくの勝手なイメージなんですけどね。

いるか座は夏の大三角のすぐ東側に位置しています。
そしてこの星座のさらに東側には秋本番の星座たちが輝きを見せ始めています。

なのでぼくはいつも、いるか座が高く見えるようになると、ああ、星空が秋になっていくなあ、と思うんです。
言うなれば、夏と秋の境目ではねているイルカといったところでしょうか。

行楽シーズンですから、空気のきれいな場所におでかけの機会、あるかもですね。
そして、夜までそこに滞在する、そんな機会があったら、ぜひさがしてみてください。

さて、ではいつものように、いるか座にまつわる物語をご紹介します。

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