スーパーマーズはまだまだ続く!

supermars_thum【参考】今夜の8時と11時の火星付近の見え方です(クリックで拡大します)

先日、星と星座のコーナーでお話した通り、火星が今、最接近の時期を迎えています。 最も近づいたのが一昨日、31日でした。ご覧になりました?
ぼくが見た時は、うっすら空全体を覆った雲を透かして赤い光が見えていましたが、みなさんいかがでしたでしょうか。

今日で最接近から2日が経過していますが、惑星ってすぐに離れていっちゃうようなものではぜんぜんありませんからね。まだまだじゅうぶん、明るい火星が見えます。

ニュースやネットを眺めていると、最接近している今だけしかよく見えないようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるように見えてちょっと心配してしまうんですが、ぜーんぜん、そんなことないんです。

「マイナス2等級」という、今回の接近で最も明るくなっている期間こそ、おおむね今夜あたりまでですが、じゃあ明日以降はといえば「マイナス1.9等」です。ね、ほんのちょっとしか変わりません。

この明るさが来週いっぱいぐらいまで続いて、来週末ごろ「マイナス1.8等」になります。
ちなみに、太陽系内の天体をのぞいて最も明るい星、シリウスが「マイナス1.5等」です。だから来週末の時点でもまだシリウスより明るいんです。

その後、シリウスなみの明るさまで暗く(?)なるのが、そこからさらに2週間先の今月25日前後。
そしてその後、今年の火星は9月の半ばぐらいまで見えますが、その9月の半ばごろでようやく「マイナス0.1等」です。

9月半ばでもまだマイナスの等級を保っていて、この数字は夏のいちばん明るい星、こと座のベガより明るいんです。ですから、今年の火星は「この夏じゅう楽しめる」と言っていいくらいなんです。

とはいえやっぱり、せっかく最接近している今の明るさ、見逃す手はありません。
ぜひご覧ください。

あ、それかもらうひとつ。以前はあまり使われなかった「スーパーマーズ」という言い方が今回一般化してきていて、この言葉には、スーパームーンのように火星が「大きく見える」というニュアンスがあるように感じます。

ネットでも、「こんなに大きさが変わる!」なんて画像があちこちで見られますよね。 でも、それはあくまで望遠鏡で拡大して見たレベルのお話で、肉眼で見る限りにおいては、見かけの大きさの違いをはっきり感じるのはちょっと難しいと思います。

明らかに違いがわかるのは「明るさ」です。
今の火星、ほんとに明るいですよ。

さあ、では見え方を確認しておきましょう。

今の時期、遠州地域で空が暗くなってくるのはおおむね7時半から8時にかけてくらいですが、この時間帯、火星は東南の空、角度にして20°ほどの高さにあります。

20°ってけっこう低いです。なので明るいうちに東南の方向をチェックして、空の下から1/4ほどの高さのあたりがどんな状況になっているか確認しておくのがおすすめです。
建物などがあってよく見えないかもしれませんからね。

その後、次第に高くなっていき、真南の空で最も高くなるのが11時ごろ。

最も高くなるといっても、空の中ほどよりちょっと下くらいの高さで、見上げるような位置にはなりません。これも頭に入れておきましょう。

いずれにしても、東南から南にかけて、空の中ほどよりちょっと下。
このあたりに、赤く光る火星、すぐ見つかります。

今年の火星はさそり座の中にいますから、「アンチ・アレース=火星に対抗するもの」という名を持つ一等星アンタレスが、赤さを競うようにして光っていますし、また同じさそり座のなかに今年は土星も来ていますから、このあたりの夜空はとってもにぎやかなんです。

ついでに言うと、南から西にかけての空に木星が、こちらもマイナス2等くらいの明るさで輝いていますから、今は惑星が3つ同時に見られるんですよ。これも壮観です。

ともあれ、「火星」という惑星は、古来、じつに様々なイメージが投影されてきました。
そんな火星の存在をあらためて感じさせてくれる天文ショー。
ぜひぜひ楽しみましょう!

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