月の模様は何に見える?〜国や地域、時間帯によって異なるさまざまな見えかたが楽しい!

今夜は満月、寒いですが、冴え渡る冬の満月、あの模様も他の季節よりクリアに見えるような気がします。そこで今日は、月の模様についてのお話です。

月にはなぜ模様がある?

そもそも、なぜ月にあの模様が見えるのかと言いますと、月には「海」と呼ばれる、平原というか、平野というか、つまり平らな部分があるんです。

そこは黒い色をした玄武岩という岩でできているため、薄暗く模様として見えています。
逆に、月のそのほかの部分は、白い岩でできているので白っぽくみえるんです(月の海に対して月の高地といいます)

ちなみに、なぜ「海」と呼ぶのかといいますと、ここを月の海と名づけたのは有名な天文学者のヨハネス・ケプラー。今のような高性能な望遠鏡がまだない時代、ケプラーは、月の表面に見える暗い部分は水をたたえた海なのではないかと考えて、そこを月の海と呼んだんです。

月の模様の見え方はいろいろ

皆さんよくご存知のとおり、あの模様をさして、月にはウサギがいてお餅をついている、といいますよね。
向かって右の方を向いたウサギが、杵をもって、臼をついている、という姿です。

moon_pattern_1-1

あ、ちなみに、臼はまあ問題ないと思うんですが「杵」の形状が、今の時代によく見る餅つきの杵とは違うんですよね。
今、一般的に餅をつくのにつかう杵はでっかいトンカチみたいな形をしてますよね。でも、月のウサギが持ってる杵はこのタイプじゃなくて、棒の両端が太くなっていて、縦方向につくタイプです。こういう杵を竪杵(たてぎね)と言うんだそうですよ。

でも、この見かたは世界共通というわけではなく、外国ではまた違った見立てをしているんです。

たとえば前回の満月のとき、中国に伝わる「嫦娥伝説」をご紹介しまして、その中で、中国では古くから月の模様を巨大なヒキガエルに見立てている、とお話しました。
つまり、同じ模様を、中国では巨大なヒキガエルと見ている。国や地域によって、あの模様はさまざまな見立てかたをされているんですね。

じつは月を見る時間帯も重要です

そして、これも重要なんですが、あの模様が何に見えるかは、見る時間帯も関係しているんです。

満月の場合、月は夕方、東の地平線から昇り、真夜中に南中し、明け方には西の地平線に沈みますが、 この間、模様がだんだん回転していくように見えます。
月じたいは回転などしておらず一定の方向を向いて動いているのですが、地球上からみるとそう見えるんです。

moon_rotation

ウサギの模様でいうと、まず、夕方はウサギの耳にあたる部分を上にして、つまりまっすぐ昇ってきます。この模様が、地上から見ているとだんだん時計回りに回転していきます。
真夜中には、ウサギは下をむいて横倒しになるんです。時間とともにさらに回転していき、明け方には耳を下にして、つまりさかさまの格好になって沈んでいきます。
ですから、一晩かけて、ほぼ180度回転するんですね。

月じたいは一定の方向を向いて動いているんだけれども、地球上からみるとそう見えるんです。

ということは、満月を見て、うさぎが餅をついているみたいだ、と思えるのは、じつは、夕方東からのぼってきてからしばらくの間だけなんですね。
夜が更けてくると、かなり見え方が変わってきて、ちょっとウサギには見ええにくくなってくるんです。

では、それぞれの時間帯によって、また外国ではどうか、国や地域によって、月の模様が何に見立てられているか、お話してみます。

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