アルゴ座(とも座/りゅうこつ座/ほ座/らしんばん座)、イアーソンとアルゴ号の冒険神話

今日は、星の大海を越えて旅立つ巨大な船、アルゴ座についてのお話です

さて、いきなりですが…。
いま、アルゴ座、と言いましたけれど、じつは現在「アルゴ座」という星座はありません。

アルゴ座というのは、南の空にある、巨大な船の形をした星座だったのですが、あまりに大きいというので、「4分割」されてしまったんです。

現在の星座はまず「とも座」。
「とも」というのは船尾、つまり船の後ろの部分です。

それから「りゅうこつ座」。
竜骨というのは、ふなぞこを前後に通っている太い柱のことです。

そして「ほ座」。船の帆ですね。

もうひとつが「らしんばん座」。

つまり船の部分部分にわけられているんです。

そんなわけで今は別々の星座になってはいるんですが、やはりかたちとしては全体でひとつ。
ですから、このコーナーではアルゴ座としてお話ししようと思います。

じつは、この星座、日本のほとんどの地域からは、その全体像を見ることができません。
ひじょうに低い位置にあって、半分ちかくが水平線の下に隠れてしまうんです。

沖縄や小笠原諸島などからであれば全容を見ることができるそうで、じつはぼくも全体は見たことないんです。ぜひ一度、南の島に行って、見てみたいものだなあと思ってるんですが…

とにかく、南の空の、低いところにあるので、市街地の空では、まず見ることはできません。
山の上からならどうか、というと、この遠州地域では、高い所から南側を見るとその方向が市街地になる、つまり明るい方向を見ることになるので難しいんです。
ですので、おすすめは海です。海岸からでしたら、この地域、南の方向は太平洋ですからね。
灯りがなくて真っ暗です。

目印になるのはおおいぬ座です。
おおいぬ座は、全天で最も明るい星シリウスがありますからすぐに見つかります。
とてもわかりやすいわんちゃんの形をした星座です

大犬の腰のあたりの左、シリウスから見たら斜め左下に視線を移していくと、星が2つ横に並んでいるのがみつかります。
これがとも座の起点になる星、船の最後尾にあたる星です。

ここから下にむかって船尾の部分、左に羅針盤と帆、さらにその下に竜骨がのびていきます。
が、ここ遠州地域からは、帆と竜骨は一部分しか見えていません。

全体としては、船尾をこちらに向けて、斜め左の奥へ、つまり向こう側に向かって進んでいく巨大な帆船、そんなようすになるんです。
明るい星はあまり多くない星座ではあるんですが、条件のいい空なら、ほんとに大きな船にみえるんですよ。
チャンスがあったら、ぜひ、その雄大な姿、ご覧になってみてください。

Argo-01

←アルゴ座(とも/りゅうこつ/ほ/らしんばん)の探し方
gifアニメーションです。クリックで拡大します。

明るい星は多くない、といいましたが、じつはひとつ、とっても明るい星があります。
その星の名は、カノープス。

なにしろ、シリウスのつぎに明るい星、つまり、全天で2番目に明るい星です。
カノープスは非常に明るい星ではあるんですが、北半球からはきわめて低いところにあるため、見るのが難しい星です。

たとえば日本では、関東地方より北では、水平線の下になってしまって、もう見ることができません。ここ遠州あたりですと、かろうじて水平線ギリギリで見ることができます。

本来は黄色を帯びた色のはずなんですが、低い位置にあるために、赤みがかって見えることが多いです。夕日が赤くみえるのと同じですね。

このカノープス、中国では古くから「南極老人星」と呼ばれてきました。
南極老人とは、七福神の寿老人あるいは福禄寿の元になったという神様で、つまり、長寿の神様です。

この星は南の低いところ、ぎりぎり見えるかどうかくらいに位置していることから、中国では「この星を見ることは縁起がいい」とされていまして、一目見ると寿命がのびると言われていたんです。
いかがですか、カノープス、見てみたくなりませんか。

今ごろでしたら夜の8時ごろ、ほぼ真南にあります。
でも、その時間にいちばん高くまで登ってきているんだけれども、ほんとに水平線ぎりぎり。
でもって、みえているのはせいぜい8時を中心にした2時間強といったところです。

チャンスがあったらぜひ!です。

ぼくも、海岸から見たこと、あるんです。寿命、延びてるでしょうか(^-^)
では、アルゴ座にまつわる物語をご紹介していきましょう。

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