ふたご座の探し方〜カストルとポルックスの神話(セント・エルモの火)

今日は、仲良く輝く双子の星、ふたご座についてのお話です。ふたご座生まれのかた、お聴きいただけましたでしょうか。

星占いで使う十二の星座のなかにはあまり目立たないものも含まれていますが、ふたご座 は冬の後半の夜空を見上げればすぐ目につく、この時期を代表する星座のひとつです。

ふたご座は、空の高いところ、ほぼ頭の真上を通っていく星座です。
いまの時期、夜の8時か9時頃に、真上を見上げて、仲良くよりそって輝く2つの星を見つけたら、それが双子の星、「カストル」と「ポルックス」です。

また、オリオンを基点に探していく方法もあります。
オリオンの長方形の上の辺を、左に向かって少しし下にカーブしながら伸ばしていくと、こいぬ座のプロキオンがあります。明るい星ですからすぐわかりますよ。

そして、オリオンから伸ばしてきた線を、プロキオンのところで直角に上に曲がったあたり。ここを見ますと明るい星がありまして、これがポルックス。
そして、ポルックスのすぐ右上にあるのがカストルです。この見つけ方も分かりやすいです。

そして、これは2014年限りなんですが、今、木星がふたご座の中に来ていてとても明るく光っています。
何度もお話しているように、オリオンの長方形の対角線、右下の角・リゲル、左上の角・ベテルギウス、この明るい二つの星をつないで伸ばした先に木星があります。
三つナナメにほぼ等間隔で並んでいますからすぐわかります。

で、この線を木星から先に伸ばしつつ、ちょっと左にカープしたあたり。ここにカストルとポルックスが並んで輝いています。
来年はもうこの探し方、できないんですが、とても分かりやすいので、今シーズンはお勧めです。

さて、この、よりそう二つの明るい星、カストルとポルックス、これが「双子の男の子の頭」になります。

それぞれからオリオン座のほうに向かって星をつなげていきますと、2列の星の列になりまして、これが身体。
そして、この二人は肩を寄せ合っていますので、腕はそれぞれ外側のほうにしかみえていないんですね。
うまいぐあいにそういう位置にある星がありまして、これをつなげば、ふたご座のできあがりです。

ちょうど、カタカナの「ト」という字が背中合わせに並んでいるようにも見えまして、全体のイメージもつかみやすい星座です。

ただし、今年は、さっき見つける手がかりに使った木星が、星座の形を描いていく時にはちょっと邪魔になっちゃうんですね。
なので、全体像を考えるときには、木星は「ふだんはないもの」と思ってご覧になってくださいね。

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←ふたご座の探し方(gifアニメーション)

さて、ふたご座のメイン、カストルとポルックス、このふたつの星は、ほんとになかよくほとんど同じくらいの明るさで並んで輝いています。
なのでときどき、どっちがどっちだかわからなくなっちゃうんですね。
これ、覚え方があるんです、

さきほどオリオンからプロキオンを経由してポルックスを見つけましたよね。プロキオン(Procyon)の頭文字はP、ポルックス(Pollux)の頭文字もPです。
また、カストルのある側の隣の星座はぎょしゃ座です。ぎょしゃ座の一等星、カペラ(Capella)の頭文字はC、カストル(Castor)の頭文字もCなんです。

つまり、プロキオンに近い方がポルックス、カペラにちかいほうがカストル、こう覚えておくと便利なんですよ。

ふたご座はたいへん歴史の古い星座で、古代メソポタミアではすでに「大きなふたご」と呼ばれていました。
古くから、この二つの星を双子と見る地域が世界的にも多かったようで、たとえば、南太平洋ポリネシアのソシエテ諸島というところの伝説では、双子の男の子が、両親が二人を引き離そうと相談しているのを聞いて家を飛び出し、島から島へと逃げて、さらに高い山のいただきから空に飛び上がって逃げた。そしてそのままふたごの星になった、そんなふうに伝えられているんだそうです。

また、この二つの星一対で『目』に見立てるケースもあったようで、たとえばドイツあたりでは、ゲルマン神話をもとにした「巨人の目」という呼び名があったそうです。

また、日本では「兄弟星」という呼び名もあったようですし、ほかにも、やはり目に見立てて「かにの目」と呼ばれたり、あるいはちょっとおもろしいのが、睨星(にらみぼし)」ですとか「眼鏡星」なんていう呼び方もあったそうです。
また、双子の体に相当する2列にならんだ星の列を柱に見立てて「門柱」ですとか。こんなふうに、日本ではいろいろな呼び名で呼ばれていたようです。

では、ふたご座にまつわる物語についてお話していきます。

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