江戸時代の物売りの様子を和紙の人形で再現した「江戸の賑わい展」が、浜松市天竜区の秋野不矩美術館・市民ギャラリーで開催されています。26日(日)まで。
高さ20〜30cmほどの人形が、屋台で天ぷらをあげていたり芋をふかしたりしている様子を、食材の質感まで和紙や粘土でリアルに表現しています。まるで物売りとお客の掛け合いが聞こえてきそうなほど。
作品は、浜松市北区で田端華扇さんが主宰する創作和紙人形づくりの会「華扇会」で、5年以上学んでいる21人が制作した67点。
華扇会家元の田端華扇さんは、「福寿草売りが来れば春を、七夕の竹売りが来ればお盆を意識した時代。季節を告げる暦でもあった昔の物売りの世界を楽しんで」と来場をよびかけているそうです。
これ、本当に面白そうな展示です。
華扇会さんの創作和紙人形は、県内各地でイベントや文化施設などで展示されていますから、ご覧になったことがおありの方もたくさんいらっしゃるのでは。
シチュエーションの面白さと、細部まで凝ったディテール表現がまず魅力。
時代考証資料を丹念に調べ、当時の文化や風俗をできるだけ表現、そして人間の姿勢や動きのリアリティも追求。これによって、人やモノはむろんのこと、時代の空気や季節感までも表現しているのですね。
そしてもう一つの大きな特徴が、顔に目鼻を書き込まないこと。いうなれば「のっぺらぼう」なのですが、それがかえって、見る人それぞれの想像力をかきたてることになるんですね。
和紙独特の深みのある色彩と多様性を活かして、大胆さと繊細さを併せ持つ作品を生み出す華扇会さんの作品展「江戸の賑わい展」。
観覧料は大人300円、高校生150円、小中学生と70歳以上は無料です。
ぜひ足をお運びください!