さて、雨の季節といえば、思い浮かぶのが「アジサイ」ですよね。
このアジサイというお花、調べてみると「へえ~!」って思うことがたくさんあって、奥が深いんです。
たとえば、アジサイの原産地って日本なんですね。今は世界中で親しまれている花ですが、ルーツは我が国なんです。
ただし、原生していたのは、今よく見る球形のものではなく、「額咲き」といって、周囲を縁取るように咲くタイプだそうです。ちなみに球状に咲くのを「手まり咲き」と言うんだそうで、額咲きといい、きれいな言い方ですよね。
アジサイを漢字で書くと紫陽花、これもきれいな字面です。
でも、これってもともとは別の花なんだそうです。
そもそもは中国の名高い詩人・白居易が、とある名も無き香りのよい花の名を人に尋ねられた際、即興で名前をつけて詩を詠じたもの。
「陽の光に映える紫色の花だから”紫陽花”とでも呼びましょうか」てなぐあいでしょうか。
この花が何だったのか正確にはわかっておらず、おそらくはライラックではないか?とされているようですが、いずれにしてもアジサイではないのだそう。
で、この詩を読んだ平安時代の日本の学者が、アジサイにこの漢字を当てたのだそうです。
これってきっと、この詩に感動して、同じように紫色の美しい花であるアジサイ(アジサイは色が変化していくので厳密には紫色の花とは言いにくいですが)にたいして同じ字を用いたくなった、というのことなのかもしれないなー、なんて勝手な想像をしてみたくなりますね。
いずれにせよ、それが広まって今に至るのだとか。
そんな事情なので、この表記は間違っている、という議論もあったそうです。
ま、確かにわが国においては梅雨時の花で、陽光あふれる季節とは言えず、むしろ雨に映える花、といった意味の字を当てたほうがいいような気もしますが、でも、梅雨の晴れ間にいっそう映える花、てなイメージと思えば、決して悪くないですよね。
ちなみにアジサイの学名は「hydrangea」と言うのですが、この名は「水の器」といった意味から来ているんだとか。これもきれいですよね。
といわけで…
うっとうしい季節でもありますが、この季節ならではの美しさもたくさんあります。
味わっていきたいですね。
- テーマ:あじさい・アジサイ・紫陽花
- 世界中で親しまれている花ですが、ルーツは日本!
- 花の付き方は「額咲き」と「手まり咲き」があります
- 「紫陽花」という漢字は本来別の花を指していた
- アジサイの学名は「hydrangea」…「水の器」といった意味