ペルセウス座の探しかたと、英雄ペルセウスの生涯

今週は「ペルセウス座」についてのお話でした。

ペルセウス座は、秋の終わりごろから冬のはじめにかけて、頭上の夜空、高いところにかかっています。
この星座を探すのに目印になるのは秋の四辺形(まだまだ見えていますよ)。

秋の四辺形を、「大きな柄杓」に見立てたとき、その「柄」にあたるのがアンドロメダ座のメイン部分(ここを「斗掻き星(とかきぼし)」ともいます)。
ここはゆるやかにカーブを描いているのですが、そのカーブを少し伸ばしたあたりに、比較的明るい星がぎゅっと集まっているところがあります。

そこに漢字の「人」、あるいは、円周率の「π」、そんな感じに見える星の並びがみつかれば、それがペルセウス座です。

 

Perseus-01

 

←ペルセウス座の探し方図解(クリックで拡大)

 

 

片手に剣を振りかざし、もう片方の手には退治してきたばかりのメドゥーサの首を携え、岩に繋がれているアンドロメダ姫を今まさに救わんとす、といった様子が描かれています。

比較的明るめの星が多いですし、美しい曲線で構成されていて、いちど見つけてしまえばとっても印象に残る、つぎもまた探したくなる星座です。
晴れた夜には、ぜひ探してみてください。

夜空に描かれたペルセウスの姿は、片手で剣を振りかざしていて、もう片方の手に、彼が退治した怪物メドゥーサの首をつかんでいます。
この部分にとても有名が星があります。メドゥーサの目に当たる星で「アルゴル」という名前がついています。
ちょっとおどろおどろしい語感ですよね。
じっさい、この名前はアラビア語で「悪魔」という意味からきているそうです。

「アルゴル」は、くじら座の「ミラ」と同じように、明るさを変える星です。
「ミラ」はおよそ11ヶ月という長い周期で、肉眼ではっきりわかる明るさから全く見えなくなるまで変化する星でした。

これに対してアルゴルは、3日弱の周期でおよそ2等星の明るさから3等星の明るさに変化します。
2等星から3等星といえば、目印に使った秋の四辺形や、いま北の空で目立っているカシオペヤ座もこのくらいの明るさの星でできています。

つまり、肉眼でじゅうぶんわかる範囲内で、しかも、3日弱という短い周期で明るくなったり暗くなったりを繰り返しているんです。

また、明るさが変わるしくみについても「ミラ」の場合は、星そのものが脈動して、つまり、大きさが変化して明るさが変わるんですが、「アルゴル」は、明るい星とやや暗い星、2つの星がお互いを周りあっていて、
お互いが相手を隠すことで明るさが変わるんです。
明るいほうの星が手前にくるとき最も明るくなります。

天文学者がこの星の明るさの変化について記した最も古い記録は17世紀。
さらに、この星が明るさを変えるしくみについて仮説が立てられたのが18世紀。
実際に確認されたのは19世紀後半。
歴史的にはまだ最近のことです。

ですが「アルゴルすなわち悪魔」という名前や、怪物メドゥーサの目とされていることから、はるかな昔から、星座のふるさとアラビアではこの星が明るさを変えることが知られていて、怪物の目を連想したのだろうと言われています。

興味をお持ちいただいたら、ぜひ実際の夜空で探してみてください。

それでは、いつものようにペルセウス座にまつわる物語をご紹介します。

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