さて、2021年は4月4日から、二十四節気の「清明」という時期に入っています。
「清らかで明るい」と書いて清明、まさに天地万物が清らかな明るさに包まれているイメージですね。
「清明」とは「清浄明潔」という四文字熟語から来ているそうですが、
この四文字熟語、よく見るとすごいです
だって「清」も「浄」も「明」も「潔も」、全て、
明るくスッキリと汚れない、さっぱりとすみきってきよらか、
という意味の文字ですからね。
どんだけ強調したら気がすむんだ、って思っちゃいます。
まあそれだけ待ちわびた季節ということなんでしょうね。
気持ちはわかります。
二十四節気とは、1年を24分割したもの。
それをさらに3分割したものが七十二候です。
では七十二候ではどうなっているかというと。
今は「玄鳥至(つばめきたる)」という時期です
うん、これもなんだか嬉しくなるイメージの言葉ですね。
この場合のツバメは「玄鳥」と書きます。
この「玄」は黒いという意味、玄人の「くろ」ですね。
つまりは「くろいとり」という意味で、これはツバメの別名なんです。
でも、黒い色をした鳥はほかにもたくさんいますよね。
だいいち、ツバメは全身まっ黒じゃありませんよ。
お腹は白いし喉のところは赤いし。
なのに「黒い鳥=ツバメ」と呼ばれるのは、
古くから人間社会に親しみ深い鳥であって、かつ、
流線形のスマートな黒い翼で飛び回るさま。
(ツバメって飛び方がいいんですよね。
高く、低く、滑空していくのが格好いいです)
それから二つに分かれたあの特徴的な尾羽、あそこも黒いですしね。
そうしたようすがひときわ強い印象を与えているからなのかもしれません。
そんなツバメがやってくるころなんだ、と七十二候では言っているわけですが、
じゃあ実際のところはどうなのかというと、
生物季節観測(せいぶつきせつかんそく)といって、
気象庁がおこなっている「生物の動向で季節の移り変わりを調べる観測」がありまして、
各県の地方気象台がデータを公表していますから調べてみましょう。
静岡地方気象台の観測による「ツバメを初めて見た日」の平年値を見てみると、
4月2日。おおなるほど、ほぼ重なりますねえ。。
とはいうものの、じつをいうとぼくは今年まだツバメを見かけていないんです
。でもきっともうそろそろ、さっそうと舞う小さな姿を見ることができますね。
みなさんはいかがでしょう、ツバメ、もうご覧になりましたか?
ツバメ舞う、清らかで明るい季節。じっくり味わっていきましょう。