うお座を探してみませんか

今週は 「うお座」についてのお話でした。

うお座のかたで、こ自分の星座を実際に夜空ではっきり見たことがある、というかたは、かなり少数派かもしれません。なにぶん暗い星ばかりなので、特に夜空の明るい市街地などでは、見つけるのはまず無理と申し上げざるを得ないんです。

じつは、星占いに登場する星座のなかには、あまり目立たない地味な星座もけっこう含まれているんです。これは「目立つ星座だから占いに使われているわけではない」からなんです。
目立つ目立たないよりも、「星座がある位置」がポイントなんです。どういうことかというと、この12の星座、黄道十二星座(黄道は黄色い道と書きます。黄色い道の十二の星座)といいますが、太陽や惑星の通り道に位置しているんです。

そして、太陽もなんです。日中、星は見えていないけど、じつはちゃんとある、というのは、皆既日食のとき、映像でご覧になったかた多いと思います。
太陽もやっぱり、つねに、この十二星座のどこかに位置するんです。
星占いで使う星座は、こんなふうに、太陽や惑星ととても関係が深いことから、古代から重要視されてきた星座たちなんですね。

さて、その12の星座のひとつである、うお座。暗い星ばかりの星座ではありますが、夜空がじゅうぶん暗い場所でさえあれば、探し方じたいはそれほど難しくありません。
ただ、はっきりした目印がありませんので、あのあたりがそうだな、という目星をつけるような探しかたがいいんじゃないかと思います。

うお座をさがすには、まず、先々週お話した「秋の四辺形」から見つけていきます。

うお座は今の時期、おおむね夜の9時ごろ真南に来るんですが、その時間帯の秋の四辺形は、真南より少し西の空高いところに見えています。これはすぐ見つかると思います。
で、四辺形が見つかったら、その左下あたりの星空をながめてみます。
すると、四辺形を左と下から挟むようなかんじに、小さな星が大きな「くの字がた」もしくは「L字がた」に点々と連なっているのが見えてきます。
これが、うお座。

じつはうお座というのは1匹のお魚の姿をしているのではなく、2匹の魚がリボンで結びつけられた姿を描いているんですが、この「くの字」ないし「L字」がリボンの部分にあたるんです。そして、それぞれの先端に魚が結ばれています。

とくに、四辺形の下にあたりにくるほうの魚、これを「西の魚」というんですが、こちらのほうがわかりやすい形をしています。卵のような型をしていて、くるんと輪を描いています。
なので、まず四辺形の下で輪を描く「西の魚」から見つていく、という探しかたもあるんですよ。

くの字の両端に、塊がくっついている…見かたによっては、さくらんぼみたいな形とも言えます。
明るい星はないものの、形としては比較的整った星座なんですよ。

Pisces-01
←うお座の探し方
(gifアニメーション)クリックで拡大します。

さて、星占いでいう12の星座は、おひつじ座からスタートして、この、うお座で終わります。これは季節ごとに空に上ってくる順番になっているんですが、では、なぜ、おひつじ座がスタートになっているか、というと、これまた、太陽との関係なんです。

「春分点」というものがありまして。ややこしい所に入り込むのはやめにして、ざっくりひと言でいうと、春分の日、つまり春のお彼岸ですね、この時点で太陽がいる空の位置をいいます。
この春分点というのは特別なポイントになっていて、これも大ざっぱな説明ですが、空のなかでの天体の位置を表わす座標、というものがあります。
春分点は、座標の0地点、つまり、座標の基準点なんです。なので、太陽はこの春分点からスタートして1年間の旅に出る、そんなふうになっているんです。

で、紀元前2世紀ごろ、星占いの十二の星座が整備されたとき、この春分点はおひつじ座のなかにありました。なので、星占いのスタートはおひつじ座になっているんです。
ところが、春分点というのは長い時間をかけてすこしづつ移動していきます。では現在の春分点は、というと、うお座のなかにあるんです。
つまり、うお座は現在、空の座標の基準点になっている星座、というわけなんです。

それではうお座にまつわる物語をご紹介していきます。

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