いて座〜探し方とケンタウロスの賢者ケイロン

今日は、南の夜空を駆けるケンタウロス、いて座についてのお話です。

いて座は星占いに登場する星座ですから、ご存知のかた多いと思います。

じつはぼく、子供のころ、この「いて」っていう言葉の意味がわからなかったんです。
「いて!」って痛がってるわけじゃないですしね。

「いて」は漢字で書くと「射手」、「魔弾の射手」というオペラがありますね。
この訓読みが「いて」。
つまり弓をひいて獲物を狙う人、という意味です。
でも、ただの人じゃないんです。
「ケンタウロス」という、ギリシャ神話に登場する、上半身が人間で下半身が馬の姿をした一族。
そのケンタウロスが、夜空を駆けながら弓をひいている姿。これがいて座です。

いて座は夏の夜、南の地平線上に見える大きな星座です。

いて座は夏を代表する星座のひとつですが、きわだって明るい星がないこと、それから、形がやや複雑で、具体的な姿をイメージしにくいこともあって、全体像をつかむのはちょっと難しい星座です。

ですが、星座を形作る星の並びの中に、一カ所、とても整った形に並んでいて、見つけやすくて覚えやすい部分があるんです。
そこを手がかりにすると分かりやすいんですよ。

その覚えやすい星の並び、「南斗六星」といいます。

北斗七星、ご存知ですよね、おおぐま一部で、大きなひしゃくのような形をした星の並びです。
北斗七星ととてもよく似た形なんです。
北の空にあって7つの星でできている北斗七星にたいして、南の空にあって6つの星でできているので、南斗六星というんですね。

ではさっそく、南斗六星、さがしてみましょう。

見つけるにあたっては、さそり座から見ていくと分かりやすいんです。

さそり座は、今の時期、夜の8時頃、南西の空、低いところにいます。
まず、アンタレスを探します。
さそりの心臓にあたる、赤い星でしたね。

真南を向いて、そこから少し右手、空の低いところに、赤く輝く星がすぐ見つかるはずです。これがアンタレス。

アンタレスから左にむかって、釣り針のような形にくるんとならんでいるのが、さそりの胴体から尾にかけての部分です。

さそり座がわかったら、この、さそりの尾、釣り針の描くカーブをそのまま少し伸ばした先に、星がいくつか散らばっているように見える部分があるんです。
そのあたりをよく見ると、口を下に向けたひしゃくのような形になっている部分が見つかります。

これが「南斗六星」。
本当に、北斗七星を小振りにしたような、よく似た形なんです。

さて、南斗六星が見つかったら、柄杓の升の部分、四角い部分ですね、ここがちょうど、弓をひく手の握りこぶしのあたりになります。
そして、ひしゃくの柄の部分と、その下にある、比較的明るい星たちが、引き絞った弓になります。

そして、升の上に伸びる星が顔、下に続く星が馬の姿の下半身にあたるんですが…
ただ、このあたりは、あまり明るい星がありませんので、よほど空の暗いところでないと、その形をたどるのは、残念ながらちょっと難しいです。

Darkmoon_ArtによるPixabayからの画像

こんなふうに、実際の夜空では全体の姿がなかなか掴みにくい星座ではあるんですが、まずは南斗六星を探してみてください。
これ、結構目立ちますし、覚えやすいですよ。

そしたら、あのあたりがいて座になるんだな、と見当をつける。
こんな見かたがいいんではないかと思います。

Sagittarius-01
←いて座の探し方
(gifアニメーション)クリックで拡大します。

いて座は、半分くらいが天の川の中にひたっています。
そして、このいて座のあたりが、天の川がいちばん明るくて幅の広い部分なんです。

ですから、夜空のじゅうぶん暗いところで見ますと、夏の天の川の、もっとも雄大な、まるで沸き立つように明るい部分、ここに賑やかに散らばる、いて座の星々、これは、感動しますよ。
海や山にお出かけになって、暗くなるまで滞在する機会があったら、ぜひ、ご覧になってみてください。

そして、射手座のシンボル・南斗六星。
それから、弓矢の部分。ここは、そこまで条件が良い場所でなくてもわかると思います。
ぜひ探してみて下さい。

ちなみに…
「南斗六星」で検索してみると「南斗聖拳」とか「南斗六聖拳」とか「レイが一番好きでした」とか、その方面のサイトが山ほどヒットします。そこいらへんも合わせて、楽しんでみるのもいいかもですよ(^^)b

ではいつものように、いて座にまつわる物語をご紹介していきます。

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