えむしーライフ

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【2014年8月14日(木)放送分より】

 

今日は、夏の夜空に翼を広げる、はくちょう座についてのお話です。

はくちょう座は、とても形が整っていて美しい星座です。
比較的明るい星も多いですから、夜空の明るい市街地ちかくであっても、きっと見つけること、できますよ。

探し方もかなり簡単なんです。夏の星座探しの目印になるのは、夏の大三角。
この大きな三角形が見つかれば、もうはくちょう座は見つかったも同然なんです。

ではさっそく、夏の大三角から見つけていきましょう。

今の時期、夏の大三角はほぼ天頂、つまり空の真上ちかくにきています。
夜の8〜9時前後、真上を見上げますと、とっても明るい星が三つ、大きな三角形をつくっているのがすぐわかります。

まず、ひときわ目立つのがこと座のベガ、七夕のおりひめの星です。
いま仮に、南を向いてから真上を見上げているとすると、ベガから見て左下のほうにあるのが、わし座のアルタイル、彦星です。

夏の大三角、どの角がどの星なのかは、「長いほうの三角定規」に見立てるのが個人的におすすめの方法です。
きっちり直角ではありませんが、ぱっと見、長いほうの三角定規に結構似ているんですよ。

で、三つの角のうち、直角の角にあたるのが、織り姫のベガ、長い角にあたるのが彦星のアルタイルです。

そして、今日お話するはくちょう座は残る一つの星が起点になります。
三角定規で言えば、直角でも、長い方でもない角、ここにあるのがデネブという星。このデネブが、はくちょう座の基点です。

デネブというのは、アラビア語で「尾」という意味、つまりここが白鳥の尾羽にあたります。
デネブから、夏の大三角の内側にむかって、白鳥の胴体が伸びています。先端にある星が「アルビレオ」といって、ここが白鳥の「くちばし」にあたります。そして、デネブの左右に、大きな翼がひろがっています。

はくちょう座の探し方


←はくちょう座の探し方



夜空の暗いところであれば、夏の大三角の中を天の川がながれているのが見える筈です。
そして、天の川をバックにして、長い首をまっすぐ伸ばして、翼を広げて羽ばたく白鳥の姿、ごく自然に想像できることと思います。かたちも美しくて、たいへん印象的な星座です。

また、夜空の明るい場所であっても、この星座のメインの部分、ここは十文字がたをしているんですが、夏の大三角の内側にのびる十文字、見分けることができると思います、ぜひ探してみてください。

この十文字の部分は古くから「翼を広げた大きな鳥の姿」に見たてられてきましたが、ちょうど十字架のような形になっていることから、南十字(みなみじゅうじ(サザンクロス))に対して北十字(ノーザンクロス)とも呼ばれています。

はくちょう座は夏の夜空を代表する星座ではあるんですけれども、じつは見えている期間がとても長いんです。先週お話ししたさそり座などは、南の空をさっと通り過ぎて、やがてみえなくなってしまうんですが、はくちょう座は、クリスマスの頃まで見えています。
その頃ですと、夕方から宵の口にかけての西の空にいて、沈んでいこうとしているところになるんですが、このころのはくちょう座、地平線に立つ大きな十字架のように見えるんです。これ、ぜひ覚えておいてくださいね。

ところで、はくちょう座には、望遠鏡か双眼鏡をのぞく機会があったらぜひご覧いただきたい星があるんです。それは、はくちょうのくちばしにあたる星、アルビレオ。

この星、肉眼では一つの星にしか見えませんが、望遠鏡か双眼鏡で見ますと、二つの星が寄り添った、二重星であることがわかります。片方が黄色い星、もう片方が青い星、この二つの星の色のコントラストがとってもきれいなんです。
その美しさは、「北天の宝石」とも呼ばれていまして、夜空で最も美しい2重星といわれることがあるくらいです。

海や山にお出かけの機会があったら、ぜひ、双眼鏡をおもちいただくこと、おすすめします。
オペラグラスでもいいんですよ。日中、遠くの景色を見るのにももちろんいいですし、夜、双眼鏡ごしに星空を見ますとね、肉眼ではみえていない、細かい星がいっぱい見えてくるんです!
また、このアルビレオのようにきれいな色をした星を見つけることもできます。
おすすめですよ!

さて、はくちょう座は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に、とても印象的な姿で登場します。

ジョバンニとカムパネルラの二人がのった列車は「銀河ステーション」を出発(しゅっぱつ)すると、天の川に沿って立つ白い十字架を車窓からみます。
つまりこれが北十字(ノーザンクロス)ですね。
そして「白鳥の停車場(ていしゃば)」に停まります。
その次に登場するのがアルビレオ。

アルビレオは、天の川の中にある、水の早さをはかる観測所であるとされていまして、その美しさはトパーズの黄色とサファイアの青に例えられています。
「銀河鉄道の夜」で「アルビレオ観測所(かんそくじょ)」の登場するくだりはこんなかんじです。

『窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟(よんむね)ばかり立って、その一つの平屋根の上に、眼もさめるような、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパース)の大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。』

いかがでしょうか。「北天の宝石」アルビレオ、ホントに、機会がありましたらぜひご覧になっていただきたい星なんです。

ではいつものように、はくちょう座にまつわる物語をご紹介していきます。

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