第5回『義太夫 耳が観る芝居~華やかに、艶やかに・・・女流義太夫の魅力』

浜松市文化振興財団 杉山味穂さんとお電話で。今週末に開催される、今年度第5回となる音楽アラカルト『義太夫 耳が観る芝居~華やかに、艶やかに・・・女流義太夫の魅力』をご案内いただきました。

「音楽アラカルト」は、浜松市アクトシティ音楽院が開催しているコミュニティコース。様々なジャンルと視点から題材を取り上げ、音楽をより身近に親しんでもらおうと年間5回開催している講座です。
その道のプロとして活躍されている方を講師に招き、トークを中心に、写真や映像、時には実演を交えながら楽しく進行していきます。

今年度はすでに4回まで開催されており、バレエ、ジャズピアノ、オペラ、そしてヴァイオリンと、本当に多彩なテーマが取り上げられ、好評を博しています。

「5回通し」で受講する必要はなく、料金も一回ワンコイン¥500。興味を持ったら気軽に受講できるのも魅力ですね(お得な通しのチケットもあります)。

今回ご案内いただいた今年度5回目の講座は、今週末、2月9日の開催。上記の通り義太夫、とくに女流義太夫がテーマです。

講師をつとめられるのは、浄瑠璃の竹本京之助さん、三味線の鶴澤津賀寿さんのお二人。お二人とも、人間国宝である竹本駒之助さんに師事、全国各地でご活躍されている現役の演者の方です。

江戸時代前期、竹本義太夫がはじめた浄瑠璃の一種である義太夫(義太夫節)は、人形浄瑠璃の伴奏、あるいは、それを元にした歌舞伎の義太夫狂言(丸本)の伴奏に用いられるものです。
声を担当する「太夫」(たゆう)と、三味線弾きによる伴奏で、台詞やストーリー、場面や心理描写などを表現しながら物語を進めて行きます。

ですが、じつは上記のような人形浄瑠璃や歌舞伎狂言の中で語られる義太夫は、男性しか出演することができません。
したがって、今回のテーマである「女性による義太夫語り」は、江戸後期に始まったといいますが、人形や歌舞伎などが伴わない、主に太夫と三味線が一人ずつだけの「素浄瑠璃」というスタイルで演じられます。

台詞やストーリーだけでなく、音楽や照明、大道具小道具、衣装といった、もともとの人形浄瑠璃や歌舞伎であれば舞台上にあって観客が見ているはずの様々なものを、たった二人だけで表現していく、これが一番の特徴です。

また、純愛から駆け落ち、親子の別れ、愛憎、嫁姑の確執など様々な演目を、女性ならではの感性で演じるところも魅力です。

かつては「娘義太夫」と呼ばれ、水野忠邦の天保の改革で女芸人が禁止されていったん廃れたものの明治期に復活、とくに明治後期には空前の人気を博し、太夫の写真(言うなればブロマイドですね)が大いに売れ、若い男性による熱狂的なファンを生むほどだった、つまり人気アイドルのような存在でもあった、という歴史も興味深いですね。

そんな女流義太夫の魅力を、現役で活躍されているお二人のお話を聞くことができるのはもちろんのこと、講義内で実際に義太夫の演目の一部を実演の予定とのことで、これは興味深い講座になりますね!

2月9日、会場はアクトシティ音楽工房、午後2時〜4時の予定です。
前売り/当日の別はありませんが、事前にチケットを入手されるのがおすすめです。

求めは、アクトシティチケットセンター、遠鉄百貨店プレイガイドほか市内プレイガイド、HCFオンラインショップ、チケットぴあ(Pコード 1回券[198-989])にて。
なお、当日券は午後1時より会場前で販売されます。

興味をお持ちいただいたかた、是非です!

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