さそり座の探し方とハワイ神話「マウイ」の物語

さて、さそり座にまつわる物語といえば、冬を代表する星座であるオリオン座、あのオリオンを刺したさそりのお話が有名です。ひょっとしたら星座にまつわるお話のなかでいちばん有名かもしれませんね。このお話はオリオン座の回に譲るといたしまして、今日は「ハワイに伝わる伝説」をご紹介します。

それは、半分神で半分人間の英雄「マウイ」にまつわる物語。マウイ島はこの英雄から名付けられました。島の形がマウイの頭と体に似ているからだともと言われています。

じつはこの「マウイ」は、ハワイ神話のみならずポリネシアの広い範囲に伝説が残っていて、太平洋に浮かぶ数々の島とそこに住む人々を創造したとされる神でもあります。

さて、ハワイ神話における「マウイ」は、たとえば天と地が今ほどはなれておらず、地面すれすれまで天がのしかかっていたころ、ものすごい力で空を放りあげ、いま空がある高さのところまであげてしまった、であるとか、火を手に入れる方法を発見した、などの活躍が伝わっているのですが、そのなかにこんなお話があります。

マウイには三人の兄弟たちがいました。兄弟の中でマウイだけが、奇跡を起こす不思議な力を授かりました。あるときマウイは、父親から「天からの釣り針」を意味する「マナイ・ア・カラニ」という聖なる釣り針をもらいました。

そこでマウイは、兄弟たちといっしょにカヌーで海に漕ぎ出して、「ピモエ」という巨大な魚を釣ろうとしました。 釣りを始めるにあたって、マウイは兄弟たちにこう言いました「釣れたとき、ピモエを絶対見てはいけないよ。ピモエは、人に見られると、とたんに死んで固い大地にかわってしまうからね」 そう言って、マウイが聖なる釣り針を海に投げ入れると、さっそくピモエがかかりました。

マウイは必死に釣り糸をつかみ、釣り上げようととしたのですが、兄弟たちはマウイに言われたことをつい忘れてしまい、ピモエのほうを振り向いてしまいました。 そのとたん、釣り糸はぷっつりと切れ、ピモエは死んで固い大地に変わりました。

こうしてマウイは海の底から大地を釣り上げたのですが、でも、完全に釣り上ってはいなかったので、その大地は沢山の島々になり、ひとつの大きな大陸にはなることはありまりませんでした。

マウイはとある島の大地に刺さっている聖なる釣り針を見つけると、引き抜いて空に放り上げました。この釣り針が星座になって、「マウイの釣り針」と呼ばれるようになりました。マウイの釣り針は、いまでも天の同じ場所にぶら下がっているのです。

というわけで、さそり座にまつわるお話といいつつ、天の釣り針のお話、ハワイの神話を今日はご紹介したわけですけれど、やはり海とともに生きるポリネシアの人々にとっては、サソリの姿としてよりも、空に浮かぶ釣り針として見えたのは、自然なことかも知れませんね。

サソリの姿と見るもよし、天の釣り針と見るもよし。いかがでしょう。そんなことを思い浮かべながら、晴れた夜には、星をみあげてみませんか。

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