みずがめ座&みなみのうお座〜「南のひとつ星」がつなぐ二つの星座〜永遠の美少年ガニュメデスとゼウスの物語

今日は二つの星座を紹介。みずがめ座、みなみのうお座についてのお話です。

みずがめ座。先週お話したやぎ座に続いて星占いで使う星座のひとつです。
みずがめ座のかた、お聴きいただいてますか?

今日はあわせて、みなみのうお座という星座もご紹介します。
みずがめ座とみなみのうお座は、星の並びとしても、また、星座が表している姿としても「つながっている星座」なんです。

まず、みずがめ座について。
この星座、じつはとってもみつけにくい星座です。暗い星ばかりでできていて、しかも面積も広く、そのうえ、形をイメージで捕えることも難しい星座です。
だいいち、みずがめ座というけれど「水がめの形した星座」ではないんです。
水がめを肩にかついでいる人物がいて、その水がめから水が流れ出している様子を描いた星座なんですね。

この星座、英語では「アクエリアス」といいまして、ちなにみあのスポーツドリンクも、この星座の名前から来ているそう。
「アクエリアス」っていうのはラテン語に由来する言葉ですが、直訳すると、水男、といった意味なんだそうです。
英語では別名、waterman、そのまんま、水男ですね、もしくはthe Water Carrier、水運び人、なんてふうにも呼ばれます。

ですから、日本語のみずがめ座っていう名前、ちょっと誤解を招きやすい名前ではあるんです。

みずがめ座には目立つ星がないものですから、見つけるのは本当に難しいんです。
そこで、ぼくがいつもしているのが、今日一緒にご紹介するみなみのうお座から探すという方法です。

先程もいったように、みずがめ座とみなみのうお座はつながっているんですが、その連結点というか境目にあたる星、これが目印になります。

その星の名は「フォーマルハウト」といいます。

秋の夜、空を見上げると、頭上から西にかけての空には、夏の大三角がまだ輝いていて、賑やかな夜空です。夏の名残とでもいいましょうか。
いっぽう、頭上から東にかけての空、こちらは明るい星が少なくて、ちょっと淋しい感じがするんですが、そのなかに明るい星がひとつだけ、ちょっと低いあたりにポツンと光っています。
これが、秋の1等星フォーマルハウト。

じつは秋の星座の中で1等星はこのフォーマルハウトひとつしかありません。
こうしたことから、日本では、この星を、「秋のひとつ星」あるいは「南のひとつ星」と呼んできました。

フォーマルハウトは、今の時期、夜9時から10時のあいだごろ、真南にきます、ちなみにここ数日でしたら、8時半頃です。
なので、そのころなら真南の空、地平線から空のてっぺんまでのおおむね1/3くらいの高さに、ぽつんと光っている星。これがフォーマルハウトです。
1等星ですから、住宅街程度のそこそこ明るい夜空でも大丈夫、見つかります。まさに「南の一つ星」っていう感じに見えますよ。

フォーマルハウトは分類上はみなみのうお座に属している星ですが、二つの最座の結節点にあたります。ここから上がみずがめ座につながっているんです。

フォーマルハウトがわかったら、そこから上に視線をうつしていきます。
さっきフォーマルハウトは地平線から1/3くらいの高さと言いましたが、もう1/3くらい上のあたり。
ここに、これは空の条件がよければ、なんですけれども、小さな「三つ矢」の形にならんでいる星が見えます。

「三つ矢」、わかりますでしょうか、三つ矢サイダーのマーク、あるいは、メルセデスベンツのマークのような形。ここが、水がめの口の部分にあたります。

この「三つ矢」から、フォーマルハウトにむかって、くねくねと蛇行したかんじに細かい星がつながっていまして、これが水が流れ出れ出ているようすを描いています。
そして三つ矢の部分から右側が、水がめをかついでいる人物の腕や肩になります。

じつをいいますとね、ぼく自身、実際の夜空でこのみずがめ座の全体像、きちんと把握できたことはないんです。
フォーマルハウトはすぐわかりますが、あとは、条件のいい夜空なら、三ツ矢の部分とフォーマルハウトのあいだを水が流れてるように見える、ここまでならイメージできるんです。だけど、そこまで、なんですよね…。

それでも、あのあたりがみずがめ座だ、ということはちゃんと分かりますから、機会があったらぜひ探してみて下さい。

さてでは、みなみの魚座のほうなんですが、フォーマルハウトというのは、アラビア語で、魚の口、という言葉に由来します。
この星座も、この星のほかは暗い星ばかりで形が捕えにくいんですが、星座絵をみますと、逆さまになったお魚が、口をぱっくり開けている様子で描かれています。

この魚は、みずがめ座から流れ落ちる水を飲み干そうとしているんです。流れ出した水が、ちょうど魚の口に吸い込まれているようにみえるんです。

今、水、といいましたが、ギリシャ神話においては、これは、じつはただの水じゃなく、ネクタルといって、神々が飲むお酒なんです。
まあ、ですから、一気のみをしているお魚、とも言えるんですね。

それではいつものように、みずがめ座にまつわる物語についてお話していきます。

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