えむしーライフ

Just another MC life

【2014年9月18日(木)放送分より】

さて、愛の神エロースにまつわる物語です。

とある国に3人の美しい王女がいました。中でも末の姫君、プシュケーは3姉妹の中でもずばぬけて美しく、まるで女神のようでした。

その評判は国々に広まりまして、「プシュケーの美しさはアフロディーテをも凌ぐ」という評判がたつほどでした。
ところが、これに怒ったのが当のアフロディーテ。美と愛の女神をないがしろにするとは何事だ、というわけです。

アフロディーテは息子のエロースに、その矢を使って、プシュケーがこの世で一番醜い者や、恐ろしい化け物を命賭けで愛するようにしてしまえ、と言いつけます。

元来いたずら好きのエロースは、その言いつけをかえって面白がりまして、いさんでプシュケーのもとへむかいました。

彼女の寝室に忍び込んだエロースでしたが、プシュケーの寝顔のあまりの美しさにおもわず見とれてしまいます。
そして、つい手元を誤って、黄金の矢の先で自分を刺してしまったんです。
その瞬間、かれは恋に落ちました。

恋に落ちたエロースはプシュケーを自分の妻にしたいと思いましたが、例のアフロディーテの言いつけもありますからそう簡単にはいきません。
そこでエロースは一計を案じます。

まず、太陽の神アポロンに頼んで、プシュケーの父親である王さまに「偽のお告げ」を与えるんです。
それは、王国の平和を守りたくば、プシュケーを山の頂きに置き去りにして怪物の人身御供にせよ、というものでした。

偽のお告げとは夢にも思わない王の一家は悲しみに打ちひがれましたが、いたしかたなく、プシュケーは山の頂きに運ばれて怪物がやってくるのを待ちます。
エロースはこんどは西風の神ゼピュロスに頼んで、彼女を持ち上げて、用意しておいた谷間の宮殿へ運んでもらいます。

相手が何者か、まったくわからないまま、プシュケーはそこで暮らすことになりました。

日々、夜になるとエロースはプシュケーの元を訪れてきます。
ですが、その逢瀬はつねに暗闇の中。エロースは姿をみせることは決してありませんでした。
そして、決して自分の顔を見ないようにとプシュケーに約束させます。
なぜなら、神が人間と結婚するためには、その姿が相手の目に見えないようにしなくてはならない、という掟があったからなんです。

エロースは彼女にとてもやさしく接しました。
プシュケーはほどなく、その姿の見えない夫が、決して、怪物でも、悪者でもないのだと、確信するようになりました。

不思議な結婚生活ではありましたが、プシュケーはおだやかに、幸せに暮らしていました。

そんなある日、彼女のもとを二人のお姉さんが訪ねてきます。
怪物にさらわれたとばかり思っていた妹が元気に暮らしているのを見て、はじめは心から喜んでいたふたりだったんですが、プシュケーが何不自由ない暮らしをしていると知って、嫉妬心にかられます。

夜にしか現れない、決して顔を見せない夫、それは化け物ににちがいない、と、彼女を不安におとしいれて、猜疑心をふきこんでしまうんです。

お姉さんたちにそそのかされたプシュケーは、その夜、エロースがぐっすり眠った頃を見計らって、右手に護身のためのナイフを握り締めて、左手に持ったランプで夫の顔を照らしました。

もちろん、そこにいたのは化け物などではなく、美しい青年、エロースの姿でした。

決して顔を見てはいけないという約束を破られたことを知ったエロースは、ひどく怒り、また同時にひどく悲しみ、彼女の元を去っていきます。

プシュケーは、はげしい後悔の念にかられました。そして、あらためて、その愛の深さに気づきました。

彼女は、エロースの母であるアフロディーテに会って、エロースと一緒になることを許してもらおうと決意します。
大変な苦労のすえ、プシュケーはアフロディーテの宮殿にたどり着きます。

しかし、もともと彼女を快く思っていなかったアフロディーテ、簡単にはゆるしてくれません。
アフロディーテはプシュケーにたいして、いくつもの過酷な試練をあたえます。

一途に試練に挑もうとするプシュケーの姿に、当のエロースはじめ、ほかの神々も救いの手を差し伸べて、とうとう彼女はその試練を成し遂げます。

ここで見かねたゼウスが仲介にはいりまして、プシュケーはようやくアフロディーテの許しを得ます。
ゼウスは同時に、彼女を神々の列に加わることを許しました。

こうして、晴れてエロースとプシュケーはいっしょに暮らすことができるようになったんです。

やがて二人の間には、ウォルプタースという名前の愛らしい女の子が産まれました。 エ

ロースは、愛の神でしたね、ですからエロースという言葉には愛という意味があります。
そしてプシュケーは英語読みするとサイコ。これ、ココロ、という意味なんですね、たとえばサイコロジーといえば心理学という意味です。

そして、二人の間の子ども、ウォルプタースというのは、喜び、という意味。
つまり、愛と心がひとつになって、喜びが産まれる、ということなんですねえ。

さあ、今宵の空はどうでしょうか。
天の川をバックに夜空を飛ぶ一本の小さな矢。エロースの愛の矢。

いかがでしょう。そんなお話を思い浮かべながら、晴れた夜には、星をみあげてみませんか。

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